クリニックブログ

2017.11.16更新

ピロリ菌とは。
正式名称「ヘリコバクターピロリ」。1983年に発見されました。それ以前は、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌などの原因ははっきりしておらず、ストレスとか暴飲暴食とか喫煙とか、様々なことが言われていました。その後研究が進むにつれ、これらの最大の原因はピロリ菌感染であることが明確になりました。

自分の体の中に菌がいるなんて思うと気持ちが悪いかも知れませんが、そもそも私たちは様々な菌と共に生活をしています。皮ふの表面や口の中、腸管の中など無数の菌で埋め尽くされています。ただ、体の中でも菌がいて当たり前のところと、無菌であるべきところは明確に分かれています。胃の中というのは基本的には無菌です。厳密に言うと、菌が入り込んでも強い酸で死滅するのです。そのような胃の中でも生き延びることができるのが、ピロリ菌なのですが、そもそもいつどのようにして胃の中に住み着いてしまうのでしょうか。
ピロリ菌に感染するのは、ほとんどが5歳以下だと言われており、基本的には家族内でうつしあってしまうようです。感染後は治療をしない限り胃の中で定着をします。徐々に胃の粘膜が萎縮していき、慢性胃炎となります。そして潰瘍が生じたり胃癌の発症母地になるのです。

ピロリ菌は、保険診療で除菌をすることができるのですが、条件があります。
1、内視鏡で胃炎があることを確認されている。
2、ピロリ菌の検査で菌の存在が確認されている。
この2つです。つまり…
内視鏡をしたことがない人は、保険でピロリ菌の検査をすることはできません。
内視鏡をしたことがあっても胃炎がなければ、保険でピロリ菌の検査をすることはできません。
ドックなどの検査でピロリ菌がいると確認されていても、内視鏡をしないと保険で除菌はできません。
もちろん自費で検査や治療をすることはできますが、一部は保険、一部は自費ということはできないので(混合診療になってしまうため)けっこう高くついてしまいます。どうしても内視鏡はイヤだというひとは、仕方ないですね。。

検査で最も一般的なのは「尿素呼気試験」です。袋に息をふーっと入れるだけの検査なので痛くもかゆくもないうえに、かなり正確に分かります。そのほかにも、内視鏡で胃の粘膜をつまんでとってきて検査をする方法、血液検査や尿検査、便検査などがあります。

除菌は、胃薬+2種類の抗菌薬の合わせ技にて行います。7日間薬を飲んでいただくのですが、10人に1人くらいは除菌に失敗してしまいます。その時はちょっと薬のメニューを変えて再トライすることになります。

ピロリ菌除菌後も、気を付けなければいけないことがあります。
除菌後は胃癌のリスクはぐっと減りますが、それでもゼロにはなりません。やはり定期的な内視鏡検査が理想的です。また、ピロリ菌がいなくなると、実は胃酸は多くなるのです。したがって、胃酸の逆流症状が強くでてしまうこともあります(胃食道逆流症)。ピロリ菌自体による潰瘍の心配はなくなりますが、逆に薬剤性の潰瘍(鎮痛剤などによる)は胃酸の増加と共に増えることになるので注意が必要です。

投稿者: フクダシン

2017.11.15更新

気温もぐっと下がってきて、風邪でみえる患者さんも増えてまいりました。
みなさん、風邪はどのように対処していますでしょうか。

私はここ1年くらい風邪っぽい症状はご無沙汰なのですが、基本的に風邪をひいたら「がまん」します。治るのをただただ、待つ。

そもそも風邪は様々なウイルスが体に侵入してきてのどや鼻、気管に炎症を起こすものです。その結果、のどが痛くなったり鼻水がでたり咳がでたり熱がでたりします。ウイルスをやっつけるのは体の「免疫(白血球とか抗体とか)」ですので、そいつらが勝手に総動員されてウイルスを退治してくれます。
自分で意識してできることは、ゆっくり栄養をとって休むことくらいですね。

風邪の診療をしていると、たびたび「誤解しているな...」と感じることがあります。例を挙げてみましょう。

「風邪をひいたっぽいので早めに受診しました」とおっしゃる患者さんがたまに見えます。
早めに来て薬を飲めば早く治る・・・これは間違いだというのはもうお分かりですね。
「市販薬で治らなかったので、病院に来ました」という患者さん。これはどうでしょうか?
市販薬よりも効き目の強いお薬で、症状を軽くすることはできるかもしれません。でも病院の薬だと治る、というのは間違いですね。薬で治すのではなくて、自分の免疫で治します。
「なかなか治らないので、抗生剤をください」という患者さん。これは、正解とも間違いとも言えません。
本当に風邪(=ウイルス感染)であれば抗生剤は間違いですが、ひょっとしたら風邪ではないかもしれません。溶連菌感染であったり、実は肺炎だったりすると、抗生剤の出番となります。
では風邪をひいたら病院に行くこと自体が間違いなの?
いえいえ、そうではありません。それは、抗生剤の例であったように自分では風邪だと思っても実は風邪ではない別の疾患の可能性もあるからです。
そのあたりは熟練した医師であれば、簡単な問診と診察であたりをつけ、必要に応じて検査をして判断します。

風邪薬ってなに?
なんども言いますが、風邪を治す(=ウイルスをやっつける)薬ではありません。あくまで「対症療法」としての薬です。
咳がつらいなら、咳を和らげる薬。鼻水がだらだらでて苦しければ、鼻水を抑える薬。のどが痛くて飲み込むのも大変なら、痛み止め。高熱でしんどいのなら、解熱剤。風邪の症状でつらい中、大変な思いをして受診をしていただいているので、症状に合ったベストと思われる薬を組み合わせて処方をさせていただいています。

インフルエンザかも?
これからの時期は、インフルエンザの可能性も念頭に置かなければなりませんね。もちろんその場合はすこし対応が変わってくるので注意が必要です。

投稿者: フクダシン

2017.09.06更新

今回は高血圧に関するいくつかの質問についてまとめてみたいと思います。
(2014年の日本高血圧学会ガイドラインと個人的な意見をもとに書いています)
 
*医師によっても考え方は違いますので、参考までにお読みください。
 
 
Q:血圧が高いとなんでダメなの?

A:高血圧を放置しておくと、脳卒中、心筋梗塞、慢性腎臓病などの病気にかかるリスク、そしてそれらが原因で亡くなるリスクが増加するという研究結果があるからです。喫煙や糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病などをもっている人は、さらにそのリスクが増加するので余計に注意が必要です。日本全体でみると、高血圧患者は推定4300万人もいるようです。国民の収縮期血圧を平均で「4」下げることにより、年間の脳卒中による死亡数を1万人、冠動脈疾患による死亡数を5千人減らすことができると言われています。血圧が高くても基本的にはなにも症状がないので、知らず知らずのうちに自分の身が危険にさらされているかもしれないというのもこわいですね。
 
Q:血圧はどのように測るのが正しいの?

A:血圧測定に関しては、診察室よりも自宅で測る「家庭血圧」の方が重要です。正しい測定方法について、説明いたします。
*手首ではなく、腕に巻くタイプの自動血圧計を用いる。
*座って静かに1,2分待つ(会話や飲酒、喫煙、カフェインはだめ)。
*朝と晩、それぞれ2回ずつ測ってその平均をとる(2回とも記録する)。
  朝…起きて1時間以内で排尿後。朝食や服薬前。
  夜…寝る前。
*なるべく長期間、毎日測り、5日以上の平均で評価する。
 
Q:血圧はどれくらいまで下げればいいの?

基本的に、140/90以上であれば注意をしなければなりません。ただし、これより高ければすぐに薬で治療をしなければならないということでもありませんし、個々の患者さんの基礎疾患や年齢によっても血圧の目標数値は変わってきます。治療のガイドラインはあるものの、実は「絶対にこうしないといけない!」という確立された決まりはないのです。かなり大雑把にいうと、以下のようになります。
①  基本的には140/90未満にしましょう
②  糖尿病の方、腎臓の機能が弱っている方は、130/80未満にしましょう
③  75歳以上の方は150/90未満にしましょう
(個人的には、②以外の人に対してはそれほど厳しくはしていません)
 
Q:生活習慣で気を付けることはなに?
 
A:まずは減塩です。1日6グラム未満というのですが、そうとう薄味になってしまうので家庭では現実的ではありません。でも減塩なくして高血圧と向き合うことはできないので、なるべく心がけるようにしましょう。それから野菜や魚の積極的摂取も推奨されています。減量も大切です。体重が4㎏減るとかなりの降圧効果があります。有酸素運動(毎日30分以上を目標に)や節酒、禁煙も強く勧められています。
高血圧と診断されたらこのような生活習慣の見直しをしていただきます。1~3か月くらい様子を見て、それでも血圧が下がらないようなら降圧薬を開始します(初めから薬での治療を開始した方がよいと判断する場合もあります)。降圧薬には大きく分けて4種類あり、個々の患者さんに応じて種類や用量を決定していくことになります。
 
Q:急に血圧がものすごく上がってしまった!どうしたらいい?

A:驚いてすぐに受診をする必要は基本的にはありません。深呼吸して安静にしていれば1日もかからずに落ち着きます。もちろん心配な方は診察をさせていただきます。
 
Q:薬は一度始めたらやめられない?

A:血圧がずっと正常だから薬を止められるかも、と思いがちですが、薬のおかげで血圧が下がっているので薬を中止したらその分血圧は上昇します。したがって自己判断でやめないようにしましょう。医師と相談の上でゆっくりと薬の量を減らしていって、慎重に血圧の推移をみていくということは可能です。
 
 
血圧は高くても痛くもかゆくもないために、あまり気にしないという方も多いですね。
逆に、血圧のちょっとした変動に一喜一憂してしまい、過度な心配をしてしまう方もいらっしゃいます。
 
今回書いたことを参考に、ほどほどに真面目に付き合っていきましょうね

投稿者: フクダシン

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