クリニックブログ

2017.09.09更新

うつの人と、これまでたくさん関わってきたのですが、
あっという間にスッと立ち直る人もいれば、
なかなか負のスパイラルから抜け出せない人もいます。
 
全然光が見えずに出口までたどり着けない人の特徴を一言で表すと、
 
逃避
 
です。
 
人は、動物ですから不安や恐怖心を感じることからは逃げようとします。
ごく、普通の反応です。
 
動物としては、理解可能な反応です。
 
でも人間は、いろんなストレスと向き合ってそれを乗り越えていくことで強くなります。
 
一度でも挫折して、次同じような場面で逃げてしまった場合、
その瞬間は不安や恐怖心から解放されます。
 
生きていれば、必ずまた困難が立ちはだかります。
それが、前回の壁よりも低くかったとき、
そこを乗り越えられるか否かというところが大きな分かれ道です。
 
低い壁でも頑張って乗り越えられれば、自信になります。
負のスパイラルから抜け出すチャンスです。
 
やっぱり無理だって、壁に背を向けてしまったら、
逃避生活の始まりです。
 
あらゆる困難から逃げて、
逃げて逃げて、逃げ続けて、
すごーく安心で落ち着く、自分の殻に閉じこもることになります。
そしてその殻は、どんどんと分厚くなっていきます。
 
最終的には、自分が逃げているということからも逃げてしまいます。
 
逃避している、ということを認めない状態。
逃避している、ということにすら気づかない状態。
 
自分のコンフォートゾーンが、
自分の周りの半径1mしかない状態。
鋼の壁と天井に囲まれている状態。
 
さあ、ここまでくると大変です。
まずは自分の状況を把握して、認めるところから始めないといけません。
そして、できることからちょっとずつクリアしていく。
 
まずは、カーテンを開ける。
次は、窓を開ける。
玄関の外へ、一歩踏み出してみる。
 
分厚くなった殻を、内側からちょっとずつ削っていくのです。
殻をいきなり叩き割るんじゃなくて。
 
 
 
そこまで重度の逃避ではなくても、
なかなか元気にならない人も多くみられます。
 
そんな人におすすめしたいのが、
 
早朝ウオーキング!
 
 
「いやいや、それはもうちょっと元気になってからやってみます」
 
 
えと、気持ちはわかるのですが、違うのです。逆なのです。
 
気持ちがついてこなくても、無理やり行動をするのです。
それができないって言うあなた。
トイレには行けますよね。水は飲めますよね。
手足が麻痺して寝たきり状態ってわけではないですよね。
 
できないはずがないんです。
ちょっとずつでいいから。
 
行動から、脳を変えていけるのです。

投稿者: フクダシン

2017.09.06更新

今回は高血圧に関するいくつかの質問についてまとめてみたいと思います。
(2014年の日本高血圧学会ガイドラインと個人的な意見をもとに書いています)
 
*医師によっても考え方は違いますので、参考までにお読みください。
 
 
Q:血圧が高いとなんでダメなの?

A:高血圧を放置しておくと、脳卒中、心筋梗塞、慢性腎臓病などの病気にかかるリスク、そしてそれらが原因で亡くなるリスクが増加するという研究結果があるからです。喫煙や糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病などをもっている人は、さらにそのリスクが増加するので余計に注意が必要です。日本全体でみると、高血圧患者は推定4300万人もいるようです。国民の収縮期血圧を平均で「4」下げることにより、年間の脳卒中による死亡数を1万人、冠動脈疾患による死亡数を5千人減らすことができると言われています。血圧が高くても基本的にはなにも症状がないので、知らず知らずのうちに自分の身が危険にさらされているかもしれないというのもこわいですね。
 
Q:血圧はどのように測るのが正しいの?

A:血圧測定に関しては、診察室よりも自宅で測る「家庭血圧」の方が重要です。正しい測定方法について、説明いたします。
*手首ではなく、腕に巻くタイプの自動血圧計を用いる。
*座って静かに1,2分待つ(会話や飲酒、喫煙、カフェインはだめ)。
*朝と晩、それぞれ2回ずつ測ってその平均をとる(2回とも記録する)。
  朝…起きて1時間以内で排尿後。朝食や服薬前。
  夜…寝る前。
*なるべく長期間、毎日測り、5日以上の平均で評価する。
 
Q:血圧はどれくらいまで下げればいいの?

基本的に、140/90以上であれば注意をしなければなりません。ただし、これより高ければすぐに薬で治療をしなければならないということでもありませんし、個々の患者さんの基礎疾患や年齢によっても血圧の目標数値は変わってきます。治療のガイドラインはあるものの、実は「絶対にこうしないといけない!」という確立された決まりはないのです。かなり大雑把にいうと、以下のようになります。
①  基本的には140/90未満にしましょう
②  糖尿病の方、腎臓の機能が弱っている方は、130/80未満にしましょう
③  75歳以上の方は150/90未満にしましょう
(個人的には、②以外の人に対してはそれほど厳しくはしていません)
 
Q:生活習慣で気を付けることはなに?
 
A:まずは減塩です。1日6グラム未満というのですが、そうとう薄味になってしまうので家庭では現実的ではありません。でも減塩なくして高血圧と向き合うことはできないので、なるべく心がけるようにしましょう。それから野菜や魚の積極的摂取も推奨されています。減量も大切です。体重が4㎏減るとかなりの降圧効果があります。有酸素運動(毎日30分以上を目標に)や節酒、禁煙も強く勧められています。
高血圧と診断されたらこのような生活習慣の見直しをしていただきます。1~3か月くらい様子を見て、それでも血圧が下がらないようなら降圧薬を開始します(初めから薬での治療を開始した方がよいと判断する場合もあります)。降圧薬には大きく分けて4種類あり、個々の患者さんに応じて種類や用量を決定していくことになります。
 
Q:急に血圧がものすごく上がってしまった!どうしたらいい?

A:驚いてすぐに受診をする必要は基本的にはありません。深呼吸して安静にしていれば1日もかからずに落ち着きます。もちろん心配な方は診察をさせていただきます。
 
Q:薬は一度始めたらやめられない?

A:血圧がずっと正常だから薬を止められるかも、と思いがちですが、薬のおかげで血圧が下がっているので薬を中止したらその分血圧は上昇します。したがって自己判断でやめないようにしましょう。医師と相談の上でゆっくりと薬の量を減らしていって、慎重に血圧の推移をみていくということは可能です。
 
 
血圧は高くても痛くもかゆくもないために、あまり気にしないという方も多いですね。
逆に、血圧のちょっとした変動に一喜一憂してしまい、過度な心配をしてしまう方もいらっしゃいます。
 
今回書いたことを参考に、ほどほどに真面目に付き合っていきましょうね

投稿者: フクダシン

2017.09.06更新

うつの方の診察をしていて、

「なんか最近調子わるいです」

と訴える方がいて、

原因として思い当たるふしがあるかと聞くと、

「わからない」

と答えます。


ものごとにはすべて、原因と結果があります。

調子が悪いという結果がある以上、その原因は必ずあります。
わからないと答えるひとは、考えてもわからないのではなく、原因から目を背けてしまっているのです。
いまの自分と向き合うことから、逃げてしまっているのです。

しっかりといまの自分と向き合い、自分をいまの状態に陥れた原因はなんなのかということを、考えること。
でも、ぼーっと考えていてもだめです。
紙に書くのです。
PCに打ち込むでもいいです。

だんだんと、いまの自分が見えてきます。

まずは自己観察。
これが極めて重要です。

逃避してしまうと、うつはよくなりません。

逃避を自覚する。ここが始まりです。

投稿者: フクダシン

2017.09.05更新

自律神経の訓練法は、ネットで検索するとたくさん方法が出てきます。
読むと、なんだかとっても難しそうなことが書いてあります。

やりだしたら、きりがないです。

極端な話、ヨガの達人では自律神経をコントロールすることによって、
心拍数をものすごくゆっくりにすることができるそうです。

私たちの脈、普段は1分間に60回くらい打っていますが、
それを40回まで下げることなんてできますか?

現実的には不可能ではないようです。
でも、そこまでマスターしたいのであれば、血のにじむような修行が必要になるでしょう。

そんなことしてられませんよね。

ここでは、いつでも、どこでも、誰でも、ちょっとした時間に簡単にできる「私流の」方法をご紹介します。

 


静かなところで、
目を閉じて(どんな姿勢でもいいです)、
深呼吸します。

 


はい、これだけです!

ちょっと拍子抜けしたでしょうか。
いくつかポイントがあります。

呼吸は、大きく、ゆっくりと。
吐くときには、おなかにちょっと力を入れます。
そうすると、鼻の奥のほうで、すーっと空気がこすれる音がすると思います。
そんな呼吸です。

そして、呼吸をするときは、息を吸ったり吐いたりすることだけに、意識を向けます。
これが大事です。

普段、私たちは無意識に呼吸をしてますね。
それを、意識的にやるということです。


息を吸う、空気が入ってくる、酸素が全身にいきわたる、
息を吐く、空気が外に出ていく、二酸化炭素がはきだされる。


その、空気の流れを意識します。

余計なことが頭をよぎってくるでしょう。
そうしたら、意識的に呼吸そのものに焦点を戻します。

呼吸をしているときに、手首で脈をみてみてください。
大きく吸うときは脈が速くなり、吐くときにゆっくりになると思います。
自律神経を、自分でコントロールできていることが実感できます。

そして、目を閉じて、呼吸だけに集中することで、
脳が静まり返ります。

疲れがたまっていると、脳のあちこちで電気刺激がバチバチと発火しています。
それをいったん、鎮火させてあげましょう。

1日5分、習慣づけてみてください。

つかれたな、と思ったときにちょいちょいやってみてもいいですね。

投稿者: フクダシン

2017.09.05更新

「自律神経失調症」

昔の人は、うまい病名を考えたものです。

でも、医学的にはこの病名は、存在しません!
学校でも習わないし、教科書にも一切書いてありません。

それでもこの病名にしっくりくる症状を訴える方は、すごくたくさんいます。

なので、正式な病名にしてもいいんじゃないかと思ってます。


その、いわゆる「自律神経失調症」ですが、様々な症状を呈します。

動悸がする
身体があつくなる
身体がひえる
汗をかく
ねむれない
めまいがする
立ちくらみがする
手が震える
下痢する
吐き気がする
口が乾く


そもそも、自律神経とはなんでしょうか。
交感神経と、副交感神経のことです。

交感神経は、戦闘モード、副交感神経は、休息モードです。

人間は、この二つの神経を、身体が勝手にコントロールして、うまい具合に割合を決めています。
あるときは10:0、またあるときは3:7というふうに。
この割合は、基本的に自分の意志では変えることができません。だから「自律」なのです。


大事な会議のプレゼンの前では、戦闘モードが作動します。
緊張して神経が研ぎ澄まされ、気合いが入り、集中力が増します。

夕飯を食べてお風呂に入ると、休息モードに切り替わります。
リラックスして、眠くなってきます。


この、「自律」機能が狂ってしまった状態を、「自律神経失調症」といいます。


プレゼンなどで、本番に強い人は、この戦闘モードをうまく利用できますが、
逆に弱い人は、過剰な交感神経により「不安」が全面にでてきてしまいます。

寝る前にうまくリラックスできずに眠れなくなったり、
なんでもないときに突然交感神経が働いて、動悸や震えがでてきたり。

そんな状態は、とってもつらいです。


さて、この自律神経、先ほど自分ではコントロールできないと言いましたが、
なんとそれを自らの「意志」でコントロールする方法があるのです。

また後ほど、ご紹介いたします。

投稿者: フクダシン

2017.08.28更新

私の専門分野の一つである「うつ病」診療についてお話ししたいと思います。

一口に「うつ病」といっても、その症状の現れ方や原因などは千差万別です。
したがって、うつだったら抗うつ薬飲んでもらえれば治癒する、というわけにはいきません。
100人いたら100通りの対応が存在します。

現代の医学では、当たり前のように「精神医学」と「身体医学」にわかれております。
ただ総合内科医として長年多くの患者さんと向き合っているうちに、精神と身体を分けることの弊害を感じ、「心」も体の中の「ひとつの臓器」として考えることで様々な問題が見え、そして解決することがわかりました。

病は気からという言葉は昔からありますが、気持ちによって病がつくられてしまうこともあれば、逆に病によって気持ちが落ち込んでくることもあります。
これを完全に分けて診療することはおかしなことですね。
したがって「内科医」が「精神医療」を行うことは至極妥当なことだと考えています。


では、心療内科診療の「ゴール」とは何でしょうか。

とにかく絶好調でなにもかもがうまく行っている、幸せで満ち溢れているという状態をすべての人に求めるのは難しいと考えています。
結局はありのままの自分を受け入れ、大好きな自分や大嫌いな自分すべてをひっくるめて、これでOK!と思えるような状態になることがゴールなんだと思います。

そこには「自分以外の他人」という因子は存在しません。

つまり他人といちいち比較する必要はなく、他人から悪影響をうける必要もありません。
なぜならば他人は変えることはできないからです。
変えられるのは自分の考え方、受け止め方、そして在り方です。
自分の過去も変えることはできません。
いまこの瞬間を自分なりに光り輝き、未来に向かってマイペースで進んでいければそれでよいのです。


心療内科治療における、薬物治療とはなんでしょうか。

はっきり言います。抗うつ薬だけでうつ病は治りません。

基本的に薬物療法というのはあくまで回復のきかっけを与える補助的なものと位置付けています。
ちょっとメンタルコンディションを整えてあげることで、困難に立ち向かえるようお手伝いするだけです。

薬による治療に抵抗がある方もいるでしょう。
逆に、なんでもいいから良くなる薬が欲しいという方もいるかもしれません。

やはり自分自身がうつと向き合い、そして医者も個々の患者さんとしっかり向き合うことが非常に大切なのです。

他の病院からうつが治らないといって受診する患者さんもいます。
たいてい、薬がテンコ盛りになってます。
そのような医者は、患者さんとちゃんと向き合っていません。
ろくに患者さんの話も聞かず、症状に対して薬で上塗りしてごまかしているだけです。

ということで、私が心療内科診療を行う上での基本的考えでした。

投稿者: フクダシン

2017.08.26更新

今日は、私の専門分野である「リウマチ」のお話。

「リウマチ」という病気は誰しも耳にしたことがあるかと思います。

節々が痛くなり、放っておくと手指が変形してしまう病気であるというようなイメージをお持ちでしょうか。
朝に手指がこわばる、ということで心配で受診される方も多いです。

きれいな手が

だんだん腫れてきて

放っておくと変形しまいます

 

関節リウマチは成人の1%、つまり100人に1人が発症するといわれている比較的頻度の高い疾患です。
そしてご高齢の方々がかかると思われがちですが、実際の発症年齢は40代くらいで、特に女性に多い疾患なのです。とはいっても10代で発症することもありますし、100歳になって発症したという患者さんも経験したことがあります。


とにかく、身体の節々が痛い。とくに、手の指や、足の裏など、痛くて困っている方は、一度受診しましょう。
専門家がみて、さわることにより、診断がつきます。
関節が痛くなる病気はほかにもたくさんありますが、それらを見分けます。
(実際は、一瞬で診断がつく場合もありますが、微妙な症状や検査結果のためしばらく経過をみていく必要がある場合もあります)


診断がつき次第、とにもかくにも早く治療を開始です!


関節リウマチを治療するにあたって、目標は2つあります。

1つ目は「痛みをとること」。

2つ目は「変形を予防すること」。

かつてはよい治療薬がありませんでしたが、ご高齢の方で手指が曲がってしまっているのを多く見るのはそのためです。


関節リウマチの治療の歴史にはいわゆる「パラダイムシフト」が2度ありました。
パラダイムシフトとは、それまでに当たり前だと思われていたことが、ある瞬間に劇的に変わることです。

はじめは「メトトレキサート」という治療薬が関節リウマチの標準的治療になった瞬間です。

この薬には、いままでなかった「病気を根本的に治療する」という力が備わっています。
したがってそれ以降、リウマチが治癒したという感触が得られるようになりました。

リウマチの原因って何ですか?とよく患者さんに聞かれます。私はわかりませんと答えます。
もともと持っていた素因であったり、遺伝であったり、環境因子であったり、喫煙であったりと、原因と考えられるものは多岐にわたります。そのためにリウマチは「これさえ飲めば必ず治る」という保証はできず、したがって奇跡の薬メトトレキサートでもよくならない患者さんは数多くいらっしゃいました。

そこで第二のパラダイムシフトが起こります。生物学的製剤の誕生でした。

いわゆる薬というのは化学物質を合成してできるのですが、これは動物を使って精製するために「生物学的」と言われます。
炎症の原因であるサイトカインというものを根本的に抑えつけるのがこの薬のメカニズムです。
何をしても一向によくならなかった患者さんが、生物学的製剤を投与することによって劇的に改善するというシーンが世界中で発生しました。使用前、使用後でこんなにも違う!ということでテレビなどのメディアでも話題となりました。

しかしながら、まだまだ困っている患者さんは少なくありません。

どうしても炎症が残ってしまう患者さん。
薬の値段が高すぎて使えない患者さん。
副作用で使えなくなってしまった患者さん。
客観的には炎症は治まっているんだけど、「まだいたいです!」という患者さん。
リウマチでもなんでもないのに、「でもいたいんです!」という患者さん。

解決すべき問題は山積みです。

これからのさらなる医学の発展に期待したいと思います。

投稿者: フクダシン

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