ストレスは悪?
「ストレス」という言葉を聞いてイメージするものはポジティブなものでしょうか、ネガティブなものでしょうか。人によって、あるいは状況によってだいぶ違うのかもしれませんが、多くの人にとってストレスとは嫌なもの、できれば避けたいものではないでしょうか。
実際に心療内科をやっていて思うのですが、うつ病を発症する原因は、明確に何らかの精神的ストレスです。
ではストレスは悪か?実はそうではありません。
世の中にストレスが全くなくなったらどんなに幸せかと思いますか?そうですね、その瞬間は楽かもしれませんが、どんどんと衰退していくでしょう。人間絶滅するかもしれません。人類の今があるのは、コンスタントにかかってきたストレスがあってこそのものだと思います。
良いストレスと悪いストレス?
人によって、Aというストレスがとんでもなく辛いものに感じることもあれば、Aなんてどうってことないという人もいます。つまり、ストレス自体には根本的に良いも悪いもありません。
同じAというストレスを、どうとらえるかという自分自身の問題になります。
どうとらえ、どのように対処していこうかと考えられる人と、ただただ押しつぶされてしまう人に分かれます。
前者は強くなりますが、後者はうつになってしまったり、眠れなくなってしまったりします。
後者がダメだというわけではなく、そのうつを克服すれば、その何倍も強くなれるのです。
とは言うものの、できれば押しつぶされてしまうのは避けたいですね。ではどのようにしたら良いのでしょうか。
ストレスから逃げない
まず大前提として、「ストレスは人間にとって良いものであり、大切なものである」というように、意識そのものを変える必要があります。
ストレスはつらいこともあるけれど、結局は良いものとして自分の身になるのだと、本気でイメージを変える。そしてその上で、ストレスに背を向けるのではなく、きちんと向き合う。
逃げるとはどういう心理か。それは、原因をしっかり考えず、何かで紛らわそうとすることです。そして自分のせいではなく、人のせいにするという自己防衛反応も伴います。その結果、一時的にはふっと楽にはなるのですが、根本的な解決にはなっていません。
向き合うとはどういうことか。まずは起こっていることを事実として、現実的な自分の身に降りかかった出来事として認識します。たとえ相手に95%の原因があったとして、「くっそー!あいつのせいで…」と思っても、5%は自分に責任があります。その5%に注目して、それを成長の機会ととらえてみるのです。
習慣化する
私自身はこの一連の流れを瞬間的に行うのが特技です。慣れない人にとっては無理難題かもしれません。ただ繰り返し取り組むことによって慣れてきて、いつの間にかナチュラルにできるようになります。そうするとなにが起こるか。ストレスが待ち遠しくなるのです。なぜならそれによって自分が成長できるから。
つづく。