クリニックブログ

2017.09.29更新

なるべく薬に頼らないで寝る方法をいろいろお伝えしてきました。
まずは眠れない原因を考え、可能であればそれを取り除く。そして睡眠環境を整えて、寝ることを意識しない。寝るときにはちゃんと「副交感神経」が優位になっている状況を作るということが大切だとお話しました。
呼吸だけに意識を向けて、シープとつぶやく。「先生、一回やってみたけどダメでした」とおっしゃる方もいらっしゃいましたが、これはある意味訓練です。毎晩意識をして続けてみましょう。
 
しかし、やっぱりそれでも眠れないんです…という方も多くいらっしゃいます。
その時には薬の出番ですね。
私が普段どのような考えで薬を処方しているかを紹介いたします。
 
 

漢方薬:
いきなり睡眠薬というのも抵抗ある方も多いのではないでしょうか。そのようなときに使いやすいのが漢方薬です。日中の眠気やふらつきがほぼ出ませんので安心なのですが、やはり効果も限定的です。また、他の治療に補助的に組み合わせることもします。
 

ベンゾジアゼピン系睡眠薬:
いわゆる、「睡眠薬・入眠剤」です。比較的一般内科や他科からもしばしば処方されている薬です。この系統の薬は効果もしっかり自覚できるのですが、気を付けなければならない点があります。それは、「耐性」と「依存」です。
耐性というのは、常用していると効かなくなってきてしまうということです。
依存とは、それがなければ絶対に眠れないので手放せなくなるということです。
したがってこの薬は、極力毎日飲まないようにすることが大切なポイントとなります。
時々使う分には非常によく効きますが、毎日飲んでいて眠れなくなったときに増量しても、実はそれほど効きません。もしそれで眠れたのであれば、「薬を追加で飲んだから大丈夫だろう」という安心感(プラセボ効果)が大きいのです(それこそが依存です)。
しかし急にやめるのも良くありません。反跳性不眠といって、それこそ一睡もできなくなってしまいます。やめるためには少しずつ削りながら、だましだまし減らしていくほかないのです。
 

新しい睡眠薬:
ベンゾ系の薬のような耐性や依存がなく比較的安全な薬がここ数年で登場しています。眠たくなるホルモンである「メラトニン」を増やす薬や、目を覚まさせるホルモンである「オレキシン」を抑え込む薬です。ベンゾ系のように脳のスイッチをOFFにするような「切れ味」は弱いですが、安全かつ自然な効果が期待できます。
 

抗精神病薬・抗うつ薬:
統合失調症やうつ病の治療に用いる薬を加減して使うことで、不眠の治療薬として非常に優れた効果が発揮されます。これも耐性や依存はありません。
ごくごく少量から始めて、効かなければ増量できる幅も大きいために不眠の程度に応じたコントロールが可能です。
用量やタイミングが合わないと、日中にひどく眠気が残ってしまうために注意が必要です。

投稿者: フクダシン

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